情事後


ベッドに沈み込んで、左手にリモコン。
隠れてしまったアヤの存在に、「ああ、やってしまったな」と溜息。















情事後2


「あー、やっぱこれってなんか違う。」
見てもいないテレビを見ながら一言。ありえないだろ。
「何のことだ?」
冷蔵庫の前で屈みこむ姿をちらり見て。ありえない。
「・・・・ありえないな。」
俺のところじゃなく女の方に行けばいいのに。















テレビ


何も映らなくなったテレビをバックに、手を伸ばす。
かたり、と揺れる氷の音。
背中に回していた腕をいっぱいに伸ばして、けど届かない。
ざああ、ざああ
少し離れた唇に、やっぱりいいか。
音がなくなったら本気で狂いそうだから。















眠る


やわらかな羽毛布団に目蓋を閉じて。
冷えた身体に染み渡るその暖かさに、じわっと迫り来るなにか。
隣を覗き見る。
「・・・・欲しければ言えばいいだろう。」
触れた唇に気づいた。
これは寂しさだ。


















がり、がり
指先で一つ掴み、奥歯で砕く。
「それ、氷食うやつ。鉄分が足りないそうだ。」
「へー。じゃあ、今度血でも飲んでみるかな。」















泣く


「よく泣くやつってさ、逆に引くけど
泣かないならまったく泣かないで、あれだよな。」
「なんだ」
「だからお前も一回は泣いてみろ、俺の前で。」
「なぜそうなる。」
「そしたら少しは可愛く見えるのに、ってこと。」




























すべて一発書き。
氷の話は中学の歴史の先生から聞いたものです。
なんでも鉄分が足りなくて、舌の上の温度が上がる。
その為温度を下げようと氷を齧ったりする、らしいですよ。




2005/03/12 ヴァイス(アヤケン)















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