ヒ ト ツ ボ シ









黒く塗りつぶされた一面の空に、きらきら光る星が1つ。
偶然見上げたそこに、それを見つけた。
視線はそのまま、隣を歩く王様の袖を引いた。
「どうした?啓太。」
見下ろす王様に、にっこり笑顔を1つ。
空を指差した。
王様の目線が指を通り1つの光に止まった。
「ああ、星か。」
「さっき偶然見つけたんですよ。」
いつものように二人して歩く、寮への帰り道。
電灯のぼんやりした明かりしかない道で、今日あった楽しいこととか昨日のテレビ番組とか
そんななんでもないことをつらつらと話しながら。
1つ違うのは、立ち止まって上を見上げてること。
毎日少しずつ違う帰り道。
「俺、星なんて見たの久しぶりです。」
「俺も小学生以来だぜ。」
「皆そんなもんなんでしょうか?」
「そんなもんだろ。」
未だ空を見上げたまま交わされる会話は少し弾んだ声で。
二人ともなんとなくその場から動くことが出来ず、立ちすくむ。
1つ、瞬きをした。
瞬間的な暗闇の後、出てきたのは二つの光。
「そろそろ行くか。」
「はい。」
寄り添うように並ぶ二つの星は、まるで二人のようだと
声には出さず、繋いだ手のひらから流し込んだ。












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