11.悲しい日




















風邪が髪を揺らした。
両手に持っていた花がばらばらになって空へ舞う。
その欠片を追いかけた先には2人が別れた、2人が誓ったあの場所が。
『待っていて』
思い出さない日などなく、いつでもそこにいるかのように胸を締め付ける声、言葉。
一緒に過ごした日々は寂しさだけを置いていった。
立ち止まる足に絡みついた影に、見えるあの日感じた悲しさ。引き止められないつらさ。
『必ず帰って来るから、待っていて』
今も生きている、声も言葉もすべてが。
信じている。信じてる。信じているのに。
すべてが頭の中に直接届いて体を震わせる。
嫌な考えが全体を支配してしまいそうな予感。
振り切るように一歩を踏み出して、顔を上げたとき。



大きな風が、背中を押すように吹いた。



包むように慰めるように、導くように大きな風が。
「・・・・っ・・・・」
それがなぜか抱き締めてくれているような優しさだったから、涙が溢れた。
溢れて、溢れて止まらない。
絶望のような悲しさ。不安のような悲しさ。なにかが消えてしまった、悲しさ。
両手から零れ落ちた花。まだ止まない風が花びらを遠くへ運んでいく。
止まらない涙、溢れて零れ落ちていく涙。
あなたは、あなたは、
『待っていて』
悲しみが支配している胸の奥、約束したときの笑顔のままあなたはいるのに。












残酷な世界、もう一度あの人に逢わせて。
























ナオジED後
2005/06/02 マイネリーベ(ナオジ主)




広告 [PR]ヒートテック  転職支援 わけあり商品 無料 チャットレディ ブログ blog