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軋んだ音が部屋に響いた。静かな夜、満月。 ベッドの上、余計なことばっかりする手を縫い付けて。おっきい目をさらにおっきく開いた弟の額にキスをした。次はうるさいその口を塞いでやろうと思っていたけど、まだ目を見開いたままの弟は押し倒したときから驚いて声を出せずにいるようだ。うるさくないならいい。両手を一纏めにし片手で押さえつけ、服を破いた。かなり頭に血が上ってる。熱い熱い。 「なにするの、兄さん!!」 弟が高い声で怒鳴る。うるさいうるさい。せっかく静かになったのに。駄目だよ、いつもなら許してあげるけど今日は駄目。身体が熱くて悲鳴を上げてるんだ。頼むから静かにしてくれ。ほら、手が震えてるだろ。なにをしてしまうかわからないんだから。胃の向こう側でなにかが渦を巻いて暴れてる。熱い熱い。 なにも答えない俺に、弟が不審そうな顔をした。 その顔があまりにいい顔だったから、体中にキスをすることにした。首も手も足も脇腹も。ああ、本当にいい顔してるよ。眉間に皺寄せて目見開いて。狂ったものを見るような目で。 そうだよそうだよ。俺はどこかが狂ってしまったんだ。可哀想な弟、もっとはやくに気付いてたら逃げられたのに。もう無理だね、駄目だよ逃がしてあげない。だってこんなに綺麗で可愛くて可哀想なものなんて他にないもの。弟のお前しかいない。 「やめてよ兄さん。やめて」 触れられるところに全部触れて、爪で引っ掻いた。その度、弟が息を呑むのが聞こえる。それがおもしろくて笑いが止まらない。動物みたいだね。お前も、お前に噛み痕をつけてる俺も。 弟は砂糖と牛乳がいっぱい入ったミルクティーみたいに甘ったるいけど、こんなのじゃ全然足りない。もっともっと。紙を破くときのような。そんなのが欲しいんだ。もっともっと。 「どうしてこんなことするの、兄さん」 背中をむけてる弟、傷痕がたくさん。血が滲んでる。 どうして?言っただろ。お前が愛しいからにきまってる。うるさいところも、狂っていく俺を見捨てられなかったところも。くっくっくっ。笑いが止まらない。熱が渦巻いて消えない。 熱い熱い。くっくっく。 狂ったものを見るような目、遅かったね。甘ったるいだけだよ。 原作は読んだことがありません。アニメと映画だけです。 2005/08/06 鋼の錬金術師(壊れ兄と弟) |
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